• テキストサイズ

過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第83章 諦めない









何故、あの休みの日ナナシを一人で行かせてしまったのか。
何故、避けるようになったナナシに冷たくしてしまったのだろうか。
何故、もっと早くしっかりベッカーの娘を振っておかなかったのか。
何故、あの夜ナナシときちんと話さなかったのか。



様々な後悔がエルヴィンに押し寄せてきて心を苛んだ。

数多くの仲間を失ってきたエルヴィンの心は、
ナナシを失った事で更に人間性を捨てていった。


全てのカードが揃った時を狙い、エルヴィンはメレンドルフ卿と
ベッカーに無実(とも言えないが)の罪を着せ、
罪の証拠となる物を議会に提出し容赦なく牢屋送りにしてやった。

家名や店も当然取り潰し。
ベッカーの娘達や親族が路頭に迷おうとも構わなかった。

出来ればエルヴィン自身の手で、奴らを八つ裂きにしてやりたかったが、
現実はそうはいかない。


エルヴィンは地位や権力に胡座をかいて好き放題していた奴らに、
公平に裁きを下してやったに過ぎない。



今回は賄賂や裏取引が行われないよう目を光らせておいた為、
終身刑の彼らが生きたまま牢屋から出るには
壁外追放の処分を受け入れるしかないので、
最期は獄死で終わるだろう。





ナナシの復讐が終わった時には、一ヶ月程の月日が経っていた。






/ 1001ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp