過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第81章 凶弾
――あぁ・・・坊を泣かせてしまったのか。
すまぬ。守ってやれないで・・・・。
でも、その願いは聞けないよ。
私の身体を見たら、お主達がどんな顔をするのか恐ろしいのだ。
死ぬより・・・恐ろしいのだ、わかってくれ、坊・・・・。
「―――・・・ご・・め・・・・・・」
最期の力を振り絞って言葉を紡ぐと、
ナナシの意識はエルヴィン達を認識出来なくなった。
だが、遠くから眷属の気配が近づいてきている事に気づいていたので、
ナナシは安心して静かに目を閉じたのだった。