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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第80章 すれ違い









「・・・・ねぇ、エルヴィン。どうしてナナシは怪我をしたの?」


怒りを必死に抑えた声でナナバが問うと、
エルヴィンはハッとした表情で周囲を見渡す。


「そういえば、ナナシはどこにいるんだ!?
話したいことが・・・っ!」

「ストップ!今聞いているのは私達。
どうして怪我をしているナナシを一人で帰したの?
手当てもせずに」


今にもナナバの怒りが爆発しそうだった。

ナナシに冷たくされて、エルヴィンのナナシへの想いが
冷めてしまったのだろうか?

例えそうだとしても怪我人を放り出すなんて、
人として許せる行為ではない。

何か事情があるなら話してほしいと、
ここにいるメンバーは考えていた。



エルヴィンは仲間の真剣な表情を受け止め、
今日あった事を説明し始めた。


懇親会で問題を起こしたベッカーの娘とナナシが口論になり、
ナナシが怪我をしてしまった事。

ナナシの傷の具合を見て、このまま会場にいさせては
男が寄ってきて心配だったので先に帰した事。

そしてエルヴィンが帰ろうとした際、巨額の寄付の話が持ち上がり、
帰りが遅くなってしまった事。


それらを説明すると、四人は微妙な顔をしながらも、
それ以上エルヴィンを責めることはしなかった。

女性陣はエルヴィンがナナシを蔑ろにしようとしたのではないと知り
少し安堵したが、落ち込んでいた様子のナナシを思い出すと
早めにナナシに会いに行くように促した。





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