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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第80章 すれ違い









エルヴィンが挨拶を済ませ、屋敷からお暇させて貰おうと
出口へ向かうと「少しよろしいですか?」と声を掛けられた。

振り返れば穏やかな笑みを浮かべた若い青年が立っていて、
エルヴィンは先日の夜会でナナシに声を掛けていた青年だと
すぐに気づいた。

相手は自分よりも遥かに若いが貴族なので、
エルヴィンは下手に出て頭を下げる。


「はい、何でしょうか?先日お会いしましたよね?」

「一瞬だったのによく覚えていましたね、エルヴィン・スミス団長。
取り敢えず初めまして、僕はアルフレッド・フォン・ヘルフと申します」

「調査兵団十三代目団長、エルヴィン・スミスです。
以後お見知り置きを・・・。そしてご用件を伺っても?」

「お急ぎでしたか?調査兵団へ寄付をしたいと考えているので、
そのお話を・・・と思ったのですが、婚約者殿が心配でしょうから、
お話はまた後日でも・・・」

「いえ、私情は挟みません。是非、今からそのお話を
お聞かせ願えますか?ヘルフ様」


寄付という言葉にエルヴィンは食いついた。

少しでも多くの寄付を得ることが調査兵団の為になるので、
エルヴィンは団長としての仕事を優先させる必要があるのだ。

私情を捨てたエルヴィンにアルフレッドは苦笑を浮かべながら、
屋敷の一室へ案内する。


どうやらアルフレッドは既に屋敷の主に部屋を借りていたらしい。


なかなか食えない青年かもしれないな、と思いながら
エルヴィンは差し出された書類に目を通し、
提示された金額に愕然とした。






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