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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第80章 すれ違い










その頃、エルヴィンは夜会会場で騒動のあらましを聞いていた。

目撃者は沢山いたので、その場面が容易に想像出来るぐらい
詳細な情報が得られ、エルヴィンは複雑な思いを抱く。

目撃者たる賛同者の婦人達の話を総合すると、こうだった。



ナナシは突然現れたメレンドルフ夫人の罵詈雑言に
最初は耐えていたそうだ。

だが夫人が手を上げてきたため、
ナナシは仕方なくといった様子で言い返した。

淡々と調査兵団の現状と、団長の妻の責任と覚悟を姉妹に諭したが、
彼女達は自分勝手な言い分でナナシを罵ることを止めなかったらしい。

エルヴィン・スミスを全く理解していないと
ナナシがキツイ事を言った事で、メレンドルフ夫人は激昂。

近くにあった花瓶や食器などを投げつけられたナナシは、
華麗にそれらを避けたり受け止めたりしていたらしいが、
運悪く同室の婦人に物が飛んでいってしまったので
ナナシはその婦人を庇って額を切ってしまったという事だった。


「あの子凄いわね。最初の内メレンドルフ夫人が
投げつけてくる物を全て避けるか、受け止めてたんですもの。
あ、今思えば受け止めていたのは割れるものだったかしら?
でも、他の方に物が飛んでいった際、
その方を庇って当たっちゃったのよね。
気遣いが出来てとても優しい子だと思うわ。
スミスさんは良い方を選ばれたわね」




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