• テキストサイズ

過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第79章 女の戦い








相手にするのも面倒臭いし、
エルヴィンに問題を起こすなと言われているので無視していたが、
ここまでやられたのだから我慢する必要はないだろう。

ナナシは売られた喧嘩を買うことにして、
ニッコリと笑顔を向ける。


「ご用件は何でしょうか?」


ナナシの言葉にメレンドルフ夫人は一瞬ムッとした顔をしたが、
ナナシがやっと相手にしたので気を取り直して本題に入る。


「エルヴィン・スミスに付き纏うのをやめなさいと注意しに来たのよ。
身分を弁えず、こんな所までノコノコやってきて恥を知りなさい」

「お言葉ですが、付き纏っているのはエルヴィンの方で、
私は彼に請われて此方に参りました。・・・それで他にご用件は?」

「・・・・・言い方を変えましょう。エルヴィン・スミスと
早く別れて頂戴。調査兵団団長には相応しい身分の妻が必要よ。
私の妹なら彼を色々な面でサポート出来るわ。
それに比べて貴女は彼に何を与えられるのかしら?」

「さぁ・・・?私はこの身一つしか持ち合わせておりませんので・・・」

「なら・・・」

「ですが、彼はそんな身一つの私が欲しいと言ってくれました。
権力の後ろ盾も財力も無い私で構わないと」


ナナシの言葉に婦人達は頬を紅潮させやや興奮気味に悲鳴を上げ、
メレンドルフ夫人は眉間に皺を寄せた。


他人から言わせればそれは熱烈な愛の言葉だ。




/ 1001ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp