• テキストサイズ

過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第78章 王都出張










広い会議室には各兵団の幹部が雁首を揃え、
全員が揃うのを待っている。

ナナシは警備という名目でエルヴィンが座っている場所から
離れた所に立たされていた。

先程まで一緒だったリヴァイは調査兵団の幹部なので、
エルヴィンの近くに座りながら険しい表情で書類を睨みつけている。



ナナシが会議場を見回していると、
エルヴィンの所へ近づいていくナイルの姿が目に止まった。

この距離から何を話しているかは聞こえないが、
唇を読むことによって大凡の会話がわかる。

頼むから余計な事は言わないでくれよ、ナイル!と願いながら、
ナナシはそちらを注視した。


「よう!エルヴィン。遠いとこご苦労さん」

「・・・・何の用だ?ナイル」


淡々とした返事の中に機嫌の悪さを感じ取ったナイルは
少し肩を竦めたが、エルヴィンが機嫌悪い事など
日常茶飯事なのでこのくらいでは動じない。

それよりもエルヴィンの隣にいる美人補佐官の存在が気になり、
自然と目がそちらへ向く。

寄り添うように隣に座っている姿はまるで恋人のようにも見え、
ナイルは先日泣いていたナナリーの姿を思い出し、
険しい表情でエルヴィンを見た。


「おい、おまえ・・・最近ナナリーとは上手くいってるよな?」


言った瞬間、ギロリとエルヴィンに睨まれ、
何故か補佐官にも睨まれたナイルは
「え?マジか?上手くいってないの!?」と背筋に嫌な汗が流れた。





/ 1001ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp