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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第77章 それぞれの想い










ナナシが調査兵団本部へ帰ると、
もう夜半過ぎだというのにエルヴィンが物凄い形相で
部屋の前で待ち構えていた。


「こんな遅くまでどこへ行っていた?」

「・・・・・・・・・お主には関係ないであろう」


自分はちゃんと仕事もしていて、その合間に抜けているのだから
文句を言われる筋合いはないはずである。

それなのに何故そこまで報告せねばならないのか・・・。

自分がエルヴィン達を拒絶した事が原因でこうなっているのは
わかっているものの、理不尽な干渉は不愉快でしかない。


「・・・・そうか・・・・関係ない・・・か・・・」


何か言い返してくるとばかり思っていたのに、
エルヴィンは自嘲気味に笑いながら呟いただけだった。

エルヴィンをよく見れば、目の下の隈が酷く、
相当疲労を溜めているのが見て取れて思わず
「大丈夫か?」と言いそうになったが、既の所で口を噤む。



今更、自分がそんな心配をするなんて虫が良すぎる。
彼をここまで追い込んだ原因は少なからず自分にもあるとは
思っているが、だからといって前のように世話を焼いてしまっては
この一週間の苦労が水の泡になってしまう。

自分はエルヴィン達から距離を取らねばならないのだ。


俯いたまま黙り込んでいると、
エルヴィンが大きく息を吐く音が聞こえた。





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