過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第76章 お主の事が大嫌い
「何故、突然そんな事をっ!?やはり、今日何かあったんだなっ!?」
「突然でも無いぞ。常日頃からお主のセクハラや監視には
我慢の限界が来ておったのだ。今日街中を歩いていて
お主が異常だという事に気づいて嫌悪感が湧いた。
ただ、それだけだ。風呂と着替えは感謝する。
だが、これっきり構わないでくれ」
もう用件は済んだとばかりにナナシが席を立つと、
エルヴィンも同じく席を立ち、荒々しくその腕を掴んだ。
「今朝までの君にそんな素振りは微塵も無かった。
こんな私でもそれだけはわかる。帰ってきた瞬間
『おまえが大嫌い』?誰かに何かを吹き込まれたと考えるのが妥当だ。
君は一体どこの誰に会っていたんだっ!?」
「そういう束縛が我慢ならぬと言っておるのだ!
何故わからない!?私はたった今お主を振ったのだ!」
「納得出来るはずがないっ!!」
「子供のように駄々を捏ねず、納得しろっ!」
ナナシが腕の拘束を振り解こうとすると
エルヴィンは体格差に物を言わせるように、
彼をソファへと押し倒し体を乗せて抑え込む。