過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第76章 お主の事が大嫌い
「母は私の幼い頃に亡くなってしまったからあまり記憶が無いが、
私の父は教師で・・・厳格な人だったかな。酷く聡明で優しかった。」
「そうか。性格はお主に似ていなさそうだが、
外見は似ていたのか?」
「手厳しいな。・・・そうだな、外見は私と同じ金髪碧眼だったけど、
似ていたかはわからないな」
「会って・・・みたかったな。・・・お主の父親に」
「・・・君は金髪碧眼だったら、私の父親でも良いのか?」
ムッとした表情で返したエルヴィンに、
ナナシはなんとも言えない笑みを浮かべた。
「そういう事ではないが・・・」
「・・・ないが?」
「・・・ただ、会ってみたかったんだ・・・・」
ナナシの言っている真意がわからず、エルヴィンは心中で首を傾げる。
今の会話は、ナナシの異変と何か因果関係でもあるんだろうか?
「今日は・・・・・何かあったのか?」
「・・・・・・・・・・・」
単刀直入に聞いてみるが、ナナシは表情を崩さず
何を考えているかわからない。