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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第76章 お主の事が大嫌い







パタンと浴室のドアが閉まったと同時に部屋にやってきたリヴァイが
怪訝な表情でエルヴィンを見遣る。


「おい、何て面だそりゃあ・・・・」

「リヴァイ・・・どうやら私の勘は的中したようだ。
ナナシの様子がおかしい。一言も喋らないどころか、
目も合わせてもらえなかった。その癖、私の指示には素直に従う。
妙だろう?」

「確かに妙だな・・・」


思案顔になり黙り込んだエルヴィンの傍に
ナナシの衣服が落ちているのに気づいたリヴァイは、
「ナナシの部屋から着替えを持ってくる」と言って再び消えた。

ナナシの部屋へ向かう途中、ミケやハンジ達にも会ったが、
今はそっとしといた方が良いと告げ、エルヴィンに任せる事にする。


こういう時頼りになる男なのだ、エルヴィンは。
きっと自分達では何も出来ない。


ハンジは頻りに
「何があったの!?ナナシの様子がおかしいって本当なのっ!?」
と心配していたが、実際リヴァイにもよくわからない。

エルヴィンが上手く聞き出せれば良いんだが・・・と思いながら、
昼間の尾行が成功してればなと歯噛みする。


「今夜は・・・眠れそうにねぇな」


ポツリと零したリヴァイの呟きにハンジ達も頷き、
皆で隣室に待機することにしたのだ。






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