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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第76章 お主の事が大嫌い









「・・・・今日はナナシが居なかったから三時のお茶も無かったな・・・」


いつも三時になるとエルヴィンを休ませるために
ナナシがお茶を淹れてくれて、それにハンジ達も混ざり
執務室が明るくなるのだ。

部屋の中を見渡し感慨に耽っていると、
外から馬の鳴き声が聞こえてきたので
エルヴィンは窓の方へと視線を戻す。


外にフードを被っているものの全身ずぶ濡れになった人物が
ゆっくりと兵舎の門を潜っているのが見え、
エルヴィンは脇目もふらず玄関に走り出した。




廊下や階段ですれ違った団員達が何事かと振り返ったが、
エルヴィンはそれらを無視して玄関へと急ぐ。

そして玄関の扉を開け放つと、
予想通りずぶ濡れになったナナシが佇んでいて、
エルヴィンは笑顔で「おかえり、ナナシ」と言った。

だが、ナナシはぼうっと立っているだけで何の反応も見せず、
エルヴィンはナナシの顔が見えるように屈んだ。






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