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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第76章 お主の事が大嫌い













ザァザァと雨が降り注ぐ。


グンタから尾行に失敗したという報告を受けた後、
エルヴィンはリヴァイ達に撤収を命じた。

一度見失ってしまったのなら、
ナナシはもう見つからないだろうという判断からで、
リヴァイ達の体力を無駄に削る必要もないと考えたからだ。

帰ってきたリヴァイから「すまねぇ」と申し訳無さそうに言われ、
珍しくエルヴィンの心に罪悪感が芽生える。


これはエルヴィンの私事での命令だったし、
ただ胸騒ぎがするというだけで「一人になりたい」と言った
ナナシの願いを叶えなかった自分も悪いのだと、
らしくなく思ったのだ。


だが、もうすぐ日付が変わってしまうというのに、
ナナシは一向に帰って来ない。

ちゃんと今日中に帰って来るようにと言ったにも関わらず・・・。


もしかしてナナシに何かあったのだろうか?

胸騒ぎは今尚エルヴィンの中で燻り続けており、
仕事も手につかず窓から見える門の方ばかり見てしまう。





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