過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第75章 残酷な真実
「・・・この話だけは、貴女以外に聞かせる訳にはいかないと思い、
孫を追い出しました。副長は随分と調査兵団に傾倒している
ご様子でしたので、申し上げます」
「別に半年契約でいるだけだ。調査兵団を
『迅鬼狼』のようにしようとは思っておらん」
「いえ、私が言いたいのはそういう事ではございません」
「・・・では何だ?」
「・・・・・・・・・・・」
コンラッドは目を泳がせた後、ぎゅっと目を瞑り吐き出すように
告白し始めた。
「ソロモン団長のお子が亡くなったのはご存知ですね?」
「・・・あぁ、遺体は埋葬されたと聞いた」
「それは偽りでございました」
「・・・・・・っ!?」
コンラッドの言葉を聞いた瞬間、ナナシの時が止まった。
今のは、どういう意味だ?
それではソロモンの息子は今も生きているという事か?
僅かな期待を瞳に乗せて話の続きを待っていると
「これは・・・つい最近知った事なのですが・・・」と
前置きされる。