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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第75章 残酷な真実









帰ってしまうと焦りながら、
コンラッドは弱った身体で精一杯声を張ってナナシを引き止める。


「お待ち下さい!まだ貴女に言いたいことが・・・っ!
私の財産を貴女に・・・っ!」

「いらん。大体お主には子供も孫もおるだろう!?
親族に分け与えよ」

「親族にはもう既に分配済みなんです。これは祖父と
『迅鬼狼』の皆さんの犠牲で得た富で、
貴女に受け取る資格があります!」


コンラッドに続きアルフレッドも声を上げ、
ナナシに財産を受け取るように言うが、ナナシとしては
そんな金を受け取っても嬉しくもないし、使い道も思いつかない。

だが、コンラッド達が頑として譲らなそうだったので、
ナナシはある提案をした。


「ならば、私に分配される財産を、調査兵団に寄付しろ。
あそこは万年貧乏兵団だから泣いて喜ぶはずだ」

「・・・・調査兵団への寄付を貴女が望まれるのであれば、
喜んで致します」

「あぁ、それで頼む」


いつもお金の工面に苦労しているエルヴィンが
少しでも楽になれば良いが・・・。

ナナシがそう考えていると、コンラッドが神妙な面持ちで
アルフレッドを部屋から追い出した。


アルフレッドは困惑しながらも、祖父の言い付け通り
部屋から出て行ったが、困惑したのはナナシも同じだった。



今更二人きりになって何の話をしようというのか・・・・。





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