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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第74章 過去へ続く道














「どうやら撒けたようだな・・・・」


ナナシは息を切らせながら満足そうに呟いて、周囲を見渡す。

馬車から飛び降りた直後、ナナシは脚力を上げ
馬並みのスピードで走り、検問を通らないようにして
何とかシーナまで辿り着いた。

追ってきていたのがリヴァイとリヴァイ班だったので、
手は抜けなかった。


「・・・・・・リヴァイ達はエルヴィンに怒られてしまうだろうか?」


命令したのはエルヴィンなので、きっと尾行に失敗したと知れば
激怒するだろう。

リヴァイ達になんの罰則も無ければ良いが・・・と
考えながら、ナナシは大きな屋敷の門を潜る。


貴族の屋敷だけあって大きく、
執事が恭しくナナシを屋敷の中へ案内した。

玄関ホールで先日会ったアルフレッドがナナシを待っていたらしく、
笑顔で出迎える。


「ようこそ、いらっしゃいました。祖父の我儘を聞いて下さり、
誠にありがとうございます。・・・あぁ、おまえはもう下がって良いよ。
後は僕がこの方を案内するから」


前半はナナシに、後半は執事に言うと、
執事は何も問う事無く
「畏まりました。何か御用がございましたら、お呼びください」
と言って下がっていった。


「・・・あまり・・・誰かに聞かせない方がいい話みたいですからね」


独白のような声色だったが、アルフレッドが発した言葉は
ナナシに向けられたものだ。

ナナシは聞くか聞かないか迷った末、
アルフレッドに直球で尋ねる。





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