過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第11章 ゴロツキとの再会
「リヴァイ?」
話すように先を促してくるエルヴィンの呑気さに呆れながら、
リヴァイはどう行動するのが最善かと逡巡する。
「小僧・・・無駄な殺しはしない主義だ。
とっととこの小童を連れて帰れ」
小童?と反応が遅れたリヴァイだったが、
それがエルヴィンを指しているのだと気づくと
口に手を当て吹き出してしまった。
あの大柄なおっさんを小童扱いかよ、と
おかしくて堪らず身体を揺らしていると、
エルヴィンが咳払いしたのが聞こえ笑いを引っ込める。
「リヴァイ・・・書類を見せてくれ」
「あぁ」
書類を渡すとエルヴィンは気まずそうにそれに目を通し、
懐から出した万年筆でサインを書き込んでいった。
ここでサインするのかよ、というツッコミは飲み込み、
未だ近くに座り込んでいるナナシに声を掛けた。
「久し振りだな・・・生きてやがったのか」
「それは此方の台詞だ。まさか調査兵団にいるとはな・・・」
リヴァイの服に刺繍してある『自由の翼』をちらりと見て、
ナナシは言った。
「・・・・イザベルとファーランは元気にしておるか?」
「・・・・・・・・いや・・・・」
影を落としたリヴァイの表情を見てナナシは「そうか」とだけ告げる。
どういう経緯か知らないが、
二人は死んだのだという事実だけはわかった。