過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第73章 心臓は何処?
聞けばナナシの仲間だったコンラッドはまだ存命であり、
そのコンラッドがナナシを探しているのだという・・・。
アルフレッドは幼い頃から祖父であるコンラッドに
『迅鬼狼』の話を昔話のように聞いて育ち、
余命僅かな祖父の願いを叶えてやりたく、
ナナシの噂話(懇親会の一件)を聞いて
今夜の夜会に出席したそうだ。
「どうぞ、祖父の最期の願いをお聞き届け下さい」
「・・・・・・・・・・・・」
一体何の用事で会いたいのか、さっぱりわからない。
何かの罠かもしれないので、おいそれと頷くことは出来なかった。
それを察したアルフレッドは、
どうしてコンラッドがナナシに会いたがっているか、
その理由を簡潔に告げる。
「祖父は貴女に謝罪したいそうです。
ソロモン団長の最期に至るまでの経緯や、
僕にも話していない『何か』を
貴女に伝えたいのだと言っていました。
ここの『心臓』は偽物だったでしょう?
どうやら祖父には心当たりがあるようで、
ここには無いと僕に教えてくれました」
「・・・・・・・・・・」