過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第72章 新境地開拓
ドレスを着ることは免れたっぽいので、
この件を放置する事にしたナナシはヒールを履いて
エルヴィンの前に立った。
一通りダンスの説明を受けて、お互い抱き合うように構える。
「良いかい、ナナシ。リードするから君は安心して身も心も
私に委ねなさい」
「委ねたら危険そうなので、自力で頑張る」
「ダンスは女性が男性に身を委ねた方が上手く踊れるんだよ」
女性じゃない!と言いたかったが、
部屋の隅からパンパンと手を叩く音が聞こえたので
言葉を飲み込んだ。
「おい、さっさと始めやがれ」
「そうだよー。折角面白いものが見れると思って来てるんだから、
早く始めてよー」
「・・・・・スン」
何故かこの部屋にはエルヴィンとナナシ以外に、
リヴァイ、ハンジ、ミケもいた。
どうやら二人がダンスの練習をすると聞き付けて
「面白そうだ」と判断したらしい。
とんだ暇人がいたものだ。