過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第72章 新境地開拓
「練習はする。
・・・・だが、わざわざドレスを着て練習するのは嫌だ」
・・・・・・エルヴィンはダンスの練習の際、
ドレスアップするようにナナシに強要していたのだ。
「本番さながらの格好で練習しなければ意味が無いだろう!?」
「ヒールは履く。だが、ドレスアップは絶対嫌だ!」
「何故だ!?練習に付き合う私へのご褒美として着て見せてくれ!」
壁外調査前にエルヴィンに新調してもらったドレスは、
女性体になったサイズで作られているので、
ナナシが男性体から女性体になる必要があり
今のままでは着られない。
性別を変えるのは割と疲れるのであまりやりたくないのと、
男性体と女性体は身体だけでなく、顔形や髪の色、長さも
微妙に変わるので、エルヴィンにその秘密がバレるのが嫌だった。
自在に性別を変えられると知れたら、
恐ろしい事になりそうだと本能が告げている。
「・・・た、楽しみは後に取っておくべきだと・・・思うのだが・・・・」
色仕掛けを真似て頬を赤く染めながらそう言うと、
エルヴィンが物凄い勢いでナナシの肩をガッと掴んだ。
「君の言う通りだ!!ドレスを脱がす楽しみを
私に与えてくれたことに感謝するよ!!」
誰もそんな事言ってないっ!!!!
どうしたら、そんな事になるのだろうかっ!?
・・・発想が飛躍し過ぎてて突っ込む事さえ出来なかった。