過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第68章 役に立つには・・・
「前に・・・私の能力の話をした事を覚えておるか?
・・・・その・・・巨人を操る的な・・・」
「勿論覚えているとも。使えなくなったとはいえ
是非その能力のメカニズムを解明したいと・・・」
「えっ!?何々っ!?
ナナシやっと実験に協力してくれる気になったのっ!?
やったーーーー!!」
「・・・ハンジがずっと騒ぎっ放しだが、
君の防御力の前に何度か気絶させられたそうだね・・・」
エルヴィンの言葉を遮り騒ぎ出したハンジに、
彼は溜息を零しながら話を先に進ませようと努力する。
騒ぎ出したハンジはミケに何とか対処してもらい、
エルヴィン達は話を続けた。
「何度も言っているが能力はもう使えん。・・・が、
その一歩手前までなら何とかなると思っての提案だ」
「ほう?てめぇはまだ何か能力を隠してたってのか?」
「能力という程のものかはわからんが、
人よりも広範囲の気配を探る事は出来る。
巨人を操る能力もその延長線上みたいなものだからな」
リヴァイの言葉に苦笑しながら返すと、
エルヴィン達の目の色が変わった。
「どういう事か詳しく話してくれ、ナナシ」
「ミケの嗅覚は風下相手にはほぼ無効だろう?
ならば私が風下に気をつけていれば前回のように
荷馬車が大破する事は免れるのではないかと・・・」
「・・・君は、本当に素晴らしいな」
喜色の色を浮かべるエルヴィンに、ナナシは眉間に皺を寄せて睨みつけた。