過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第67章 分かり合いたい
「こんな所で一体何をしているんだ?リヴァイ?」
リヴァイの重い体を難なく持ち上げて、
ポイッとゴミのように投げ捨てたのはミケだった。
リヴァイと同じように普段あまり表情を動かさない彼の額に
青筋が立っていたので、割と怒っているのだというのは理解出来たが
投げ捨てられたリヴァイも同じように怒りを溜めていたので
「あぁ?」とミケを睨みつけた。
「少し話していただけだろうが」
「話すだけなら押し倒すような体勢になる必要は無いだろう?」
「良いじゃねぇか。ナナシも抵抗してなかったんだから抱くくらい。
どっかの誰かとは違って俺は安易に舐めたり
強姦しようとしたりはしてねぇよ」
刺のある言い方だったが、ミケも色々と前科持ちなので
言い返せず黙り込む。
暫くの間、重い空気が漂ったが、
起き上がったナナシの言葉で漸くそれが霧散した。
「ミケも私を探していたのか?すまない。
今日から柔剣訓練だという事を忘れてしまっていたのだ」
「・・・珍しいな、おまえが忘れるなんて」
スンと鼻を鳴らしたミケに、ナナシは頭を掻きながら
自身もキチンと鍛え直さないといけないのだと話すと、
怪訝な表情を向けられた。