過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第67章 分かり合いたい
多分誰にも言わないし、人から化け物扱いされる者同士
分かり合える事がある。
他人に縋るような真似など出来ない身だったが、
ナナシの前では少し身体の力が抜ける事に気づいたのは
いつだっただろうか?
ナナシがエルヴィンにセクハラをされていたのを呆れて
見ていた時だろうか?
腕輪を作る際、身体を弄られていた時だっただろうか?
思い出せない程自然に身体から力が抜けていたのは事実だった。
伸し掛かるようにしている今もどこかで安らぎを感じている。
好みのタイプかという質問にははっきり答えてくれなかったが、
多分それが答えなのだろう。
例えナナシの好みのタイプが自分じゃなかったとしても
構わないと考えた。
要は自分がナナシを諦めなければ良いだけの話である。
ナナシの首筋に鼻を寄せた瞬間、
リヴァイは何者かに身体を持ち上げられた。