第67章 分かり合いたい

「完成されて引き締まった身体は素晴らしいと思うぞ？」

「そうじゃねぇ。誰も兵士としての素質なんざ聞いてねぇよ」

「・・・お主の隣にいると心が安らぐ。
何というか醸し出す空気がとても好きだ。
お主は自分はモテないとか思っていそうだが
実際そんな事無いと思うぞ？お主は見た目に反して
とても優しいからな。調査兵団にいる兵士は
お主のその優しさに救われていると思う」

「・・・・・・・・・・・」


ナナシの言葉にリヴァイは一瞬息を呑んだ。

自分はナナシが言う程モテないし、優しくなんか無い。
優しかったら殺されそうになっている兵士を見捨てるなんて事
出来ないはずだ。


「・・・・・俺は優しくなんかねぇよ」

「そうか。お主がそう言うならそうなんだろうが、
少なくとも私の目からは優しく見えるぞ。それで良いではないか」


ふっと表情を綻ばせたナナシにリヴァイも表情を和らげ
「そうだな」と返すと、その身体を抱くように地面へ転がった。

潔癖症の自分には考えられない行為だったが、
今とてもナナシを抱きしめたい気分だったのだから仕方無い。





―――優しいのはてめぇだ、馬鹿野郎。