過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第67章 分かり合いたい
最初は只の思い込みによる勘違いだと決めつけていた。
初恋をした事があるか無いかの年齢で衝撃的に出会ったのだから、
それを勘違いしているのだろうと・・・。
だが、再会して調査兵団で共に暮らすようになってから、
段々その考えに自信が持てなくなるようになって
戸惑いが増し、時々不覚にもエルヴィンに
ときめいてしまう瞬間が存在してしまうのも否定出来なくなっていた。
しかも、いつの間にか『心臓』を取り戻したら
エルヴィンへの気持ちに応えるかも・・・的な話になっていて、
自分でもどうしようか悩んでいる所だった。
正直、今のままでは自分の気持ちがよくわからない。
前よりもエルヴィンと親しくなったようには思うが、
それが果たして恋愛感情なのだろうか?
「・・・・よくわからない。恋愛感情とかそういうものは
私には不要だから・・・」
そんな感情は目的を遂げる戦いに邪魔だ。
もう何十年も揺るがなかったこの考えもエルヴィンと再会してから
揺らぎ始めていた。
でも、だからと言ってソロモンへの愛情を捨てる事も、
自分が妖かしであるという事情からも目を背けることは出来ない。
例え、エルヴィンへの答えをイエスにしても行き着く結末は
ハッピーエンドではないだろう。