過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第67章 分かり合いたい
「おい、口を少し開けろ。舌が入らねぇ・・・」
グルグルと追い付かない思考のせいでナナシは何も考えられなくなり、
リヴァイに従って少し口を開くと彼の舌が口内に侵入し絡んできた。
決して激しいものではないのに、
異様に興奮してしまうのは何故なのかナナシにはわからず、
黙ってリヴァイに身を任せてしまう。
いつの間にかリヴァイに押し倒されているような体勢になっていて、
ナナシはそこで漸く我に返った。
「・・・リヴァイ、何故今このような体勢になっておるのか
尋ねても良いか?」
「あ?ムラムラしたからセックスするに決まってんだろ?」
いやいや、決まってないっ!
何故そうなるっ!?
突飛な発言と行動に混乱するナナシを尻目に、
リヴァイは真剣な表情で「だが、その前に聞きたいことがある」と
前置きをする。
「おまえは・・・エルヴィンの事をどう思ってんだ?
ちゃんと『男』として見てるのか?」
リヴァイが何を言ってるのかわからずナナシが首を傾げると、
彼は盛大な溜息を吐いた後直球で尋ねた。
「惚れてんのか聞いてんだ。いくら鈍いてめぇでも
あいつから真剣に告られてるのくらいわかってんだろ?」
手口は限りなく犯罪者のやり方で変態だが、
本気だって事くらい気づいてんだろ?と言われ、
ナナシは言葉に詰まった。