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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第67章 分かり合いたい









「ありがとう・・・リヴァイ」


心がポゥッと暖かくなりナナシは自然と破顔した。

それを見たリヴァイは数度瞬きした後、
ゆっくり顔を近づけて自身の唇をナナシの唇へ押し当てた。

普段から粗暴な振る舞いが目立つ彼からは想像もつかない程の
優しいキスにナナシの思考は停止する。

リヴァイは少し角度を変え、また壊れ物を扱うかのように
唇を重ねた。


思えばリヴァイとキスをしたのは初めてだった。


エルヴィンとミケからは何度かキスをされていた事はあったが、
どちらも激しいものですぐに腰が砕けるくらい荒々しいものだった。

それに対し今行われているキスは、
相手を気遣いつつ丁寧にゆっくりと慈しむ代物である。



・・・・まるで恋人にするような・・・。


そう認識した瞬間、ナナシの顔は熱くなり戸惑いが増した。

リヴァイは何故自分にこんな事をしているのだろう?

風呂場で一度押し倒されそうになったが、
あれと今の状況は全く違う。


身体を硬直させたままのナナシにリヴァイは両手を彼の頬に伸ばして、
顔を軽く固定した。





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