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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第67章 分かり合いたい









「私は身体が弱くて長期戦に向かないと以前話しただろう?」

「・・・軍隊生活が難しいって話か?
ここ数週間共に生活をしているが、てめぇが怪我以外で
へばっている所なんざ見たことねぇぞ」


リヴァイの言葉にナナシは自嘲めいた笑みを浮かべ、
模擬戦後の話をする事にした。

あまり吹聴すべき事ではないが、リヴァイにはきちんと
話しておくべきだと判断し、誰にも言うなという前置きをする。


「エルヴィン以外には見られておらぬが・・・・
入ったばかりの時にやった模擬戦があっただろう?
私はあれだけでへばったんだ」

「・・・・っ!?」

「・・・あの時、血を吐いてな・・・。エルヴィンに介抱されていた」


彼にはそれが意外だったのだろう。
珍しく表情が動き目を見開いてナナシを凝視している。


リヴァイは模擬戦直後、人目を忍んで木陰で休むナナシと
エルヴィンを目撃していた事を思い出した。

あの時、ナナシが使った技がどういうものか知りたくて
追いかけたのだが、眠っているナナシの横にいたエルヴィンが
「何も言わずに去れ」とアイコンタクトを送ってきたので
それに従った。

今更ながら、あの時のエルヴィンの只ならぬ雰囲気の理由を理解し、
リヴァイは奥歯を噛みしめる。


こいつは人に弱みを見せたがらない。
この話だって自分が食い下がらなければ話さなかっただろう。




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