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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第67章 分かり合いたい








「・・・・そんな重大な事、何で今まで隠していた?」

「簡単な話だ。教官である私が病弱だと知れれば
それを雇ったエルヴィンの信用にも関わるし、
半年間仕事をする上でこの情報は邪魔にしかならないからだ」

「だからって、俺やハンジ達にも黙っていたのか?」

「情報の拡散は不利益に繋がる恐れがある。
リスクは最小限に抑えるべきだ」

「・・・・・・エルヴィンみたいな事を言うんだな、
てめぇは」


要はリヴァイ達に明かしても不利益になるだけで
良いことは無いのだと言っているのだ。

頭ではそれを理解できるが、感情は納得出来ない。
まるで端から自分達を信用していないかのような物言いだ。


リヴァイが更に奥歯を噛み締めていると、
ナナシは少し頬を緩めて「それに・・・」と語る。


「人類を救うのは『人類』で無ければならぬのだ。
故に私は表舞台に立とうとも思わないし、
立てるはずもない・・・これが、私が『人類最強』になれない
本当の理由だ」


誰にも言ってくれるなよ?リヴァイ・・・
重大な真実をあっさり告げたナナシにリヴァイの思考は
一瞬停止した。


こいつは今何て言った・・・?
その言い方じゃ、まるでナナシ自身が人間じゃないと
言っているみたいじゃねぇか。

一体何の冗談だ


「妙な冗談言ってんじゃねぇよ」


確かにこいつは規格外過ぎて化け物じみているが、
自分を貶めるような言い方は気に食わない。

それに巨人という化け物と戦っている調査兵団に
それを明かしたら自分の身が危なくなる事くらいわかるはずだ。

だから、こいつは悪質な冗談を言っているのだ。




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