過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第67章 分かり合いたい
「・・・・・・今日からだったっけ?」
「やっぱり、忘れてやがったのか」
「すまん。自分を鍛え直さねばと考えていたから
頭から抜け落ちてしまった」
その言葉にリヴァイは少し首を傾げ
「鍛え直す必要があるのか?」と問うた。
リヴァイからすれば、ナナシはいつ戦闘になっても問題無い
コンディションにしか見えない。
先日の懇親会で怪我を負ってしまったが、
それは事故のようなものでリヴァイでも
防ぎようがなかっただろうと思うのに、
どうやら当人はそう思っていないようだ。
「もうすぐ壁外調査があるからな。感覚とかそういうのを
整えておかないと生きて帰れんだろう。
この前のような行き当たりばったりで壁外に行くのは御免だ」
ナナシの言う事は正論だったが、リヴァイは少し意外に思った。
ナナシは自身の力量を知り尽くしていて
自信も持っていると思っていたが、
そんな彼でも弱気になるものなのか、と。
常人以上の戦闘力と不思議な力を持ち合わせているナナシに
敵など無いと思っていたリヴァイは、少し考えを改める。