過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第65章 男か女か
「大体、今朝お主が私の足をあんな風に舐めなければ、
身体がこんな事にならなかったんだっ!
いい加減うんざりだ!不必要に触ってくるな!」
ナナシの叫びを聞いたエルヴィンは一瞬キョトンとしたが、
すぐにニィと口許に弧を描いてふふっと笑みを零す。
「そうか・・私に舐められた事がお気に召したのか・・・。
ならば私はその期待に応えなくてはならないね。
今度はどこを舐めて欲しい?何なら君があると言い張る
男の証をしゃぶっても良いんだよ?」
自ら墓穴を掘ったナナシは全身を真っ赤にしてプルプル震えながら、
手近にあったお手製のテーブルを掴んで
勢い良くそれをエルヴィンに叩きつけて
(押し潰してという方が正しい)執務室から飛び出した。
執務室から「エルヴィン!?生きてるかっ!?」という
リヴァイとミケの焦った声が聞こえてきたが、
振り返る余裕すらナナシには無かった。