過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第63章 気遣いと下心
調査兵団は怪我人に優しいなと朝食を頬張っていたら
「教官、これも食べて下さい」
「俺の分の果物もどうぞ」
「パンを差し上げます」
と言って色々食事を分けてくれたので、
感謝を通り越して感動を覚えた。
いつもエルヴィン達が座る席に、
他の兵士達が座って話しかけてくるのには多少違和感があったが、
エルヴィン達が来るまでまだ時間があるだろうし、
空いている席を使うのも当たり前だなと思いながら、
お礼を言って貢物で溢れていくテーブルを見つめる。
だが
「ナナシ・・・そこで一体何をしている?」
という底冷えのする声が聞こえた瞬間、
感動も周囲にいた兵士達も凍りついた。