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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第61章 あの人は太陽、あなたはまるで月のよう








そう言えば昔、ソロモンは太陽のようだと思った事があったが、
エルヴィンは月に似ているなと漠然と思った。

その光は彼の金髪を彷彿とさせるし、
静かながらも堂々としている様は見るものを圧倒する存在感がある。



・・・例えその光が太陽の光を反射しただけの物であったとしても、
ナナシは太陽の光よりも月の光の方が好きだった。



時々狂ったようにギラギラした眼をするエルヴィンを
太陽に似ていると表すべきなのかもしれないが、
何となく違う気がした。

闇の部分が多い時もあれば少ない時もある気まぐれさは、
月の満ち欠けのようだと思ったのだ。
我ながら何故こんな事を思ったのかわからない。


きっと久々に流血して血が足りず頭までおかしくなっているのだろう。


怪我をしているのだから、少しくらい弱気になっても良いはずだ。

自分は長年一人でよくやっていると褒めてやりたい気持ちになる。




ソロモンは死に、『迅鬼狼』は壊滅に追いやられて、
もう誰一人本当のナナシを見る者はいなくなった・・・・。





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