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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第61章 あの人は太陽、あなたはまるで月のよう











しくじった、と思った。


他人に色々格闘術を教えている癖に、
この体たらくとは・・・と自嘲する。



荷馬車から投げ出されたナナシは崖から落ちてしまったが、
草木がクッションとなったお陰で命に問題はなかった。

寝転びながらぼんやり夜空を眺めて、
自分の身体が随分鈍っていた事について反省するくらいには
余裕がある。


・・・が、いくら現実逃避していても仕方ないので、
身体を起こし自分の足を見た。


草がクッションになってくれて胴体はほぼ無傷だったが、
運悪く突き出ていた木の枝の先端で
左下腿部の肉を少し抉ってしまったらしく、
出血もそれなりにある。

自己嫌悪に陥りながらドレスの裾を破いて止血すると、
ナナシはまた草に横たわり「今夜の月は綺麗だ」と
夜空を見上げた。


早くエルヴィン達と合流しないとなぁと考えながらも
何故だか動く気になれず、夜空に浮かぶ満月を眺める。






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