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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第60章 私が取りたい手








エルヴィンが犯人と対峙している間に
ペトラとニファを呼び寄せたナナシは、
万が一に備え誘拐されやすい出口付近に待機していた。

あのままエルヴィン達が上手く彼らを捕縛出来ていれば
何の問題も無かったが、事態は最悪な方向へと転がり
今に至っている。


「でも教官、何で私達を選んだんですか?
他にもっと頼りになる女性兵士は沢山いたはずです」

「今は『ナナリー』と呼べ。敵にバレては困る。
お主らを選んだ理由は若くて可愛い娘の方が
誘拐されやすいと判断したからだ」

「若くて・・・可愛い?」


ニファとペトラが首を傾げながら言葉を反芻するのを見て、
隙が無さそうで大人っぽい美人だと扱いづらくて
素人っぽい少女の方が売るには都合が良いのだと説明すると、
明らかに落胆された。

中には高飛車な女の方が良いという男もるだろうが、
『商品』として見るなら後者の方が良いはずである。


「素人娘・・・・」

「扱いやすい・・・・」

「あの位置にいれば高確率でペトラかニファが誘拐されると
踏んでいたから、それに便乗してついていければという打算が
あったのだ」

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」


ナナシの言葉に何故か二人は更に落ち込んだようだった。

何故だ?と首を傾げていると、
暗い表情をしたペトラがボソリと言った。




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