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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第8章 邂逅







―――笑っている!

しかも恋する乙女のように頬を赤らめさせながら!!




不気味だという言葉が喉から出かかったが、
長年の友人としてそれは言わないでおいた。

その代わりエルヴィンの名前を呼んでやると、
我に返ったらしい彼が嬉々として銀髪の人物へ話し掛け始めた。


「失礼だが、君は女性かい?余りにも中性的だから気になってしまってね」


当初の目的とは違う質問になってはいないか?エルヴィン・・・
とツッコミたくなったが、賢いミケはグッと堪える。

これで邪魔をしようものなら、後が恐ろしいのだ。


銀髪の人物は気分を害した様子もなく、
空中で横になりながら少し考えるように
「確か・・・男だったかな?」と疑問形で答える。

何故に疑問形・・・?

エルヴィンは「男・・・?」と目を丸くし呟いたが、
質問攻めを続けた。


「では君の母親やお姉さん、親戚の女性で君と瓜二つの人物はいるかい?」

「おらぬ」

「もしかして天涯孤独?」

「そうなるやも・・・」

「そうか・・・それにしても君はとても綺麗だね。
本当に男の子?」

「・・・・・・・・・・・・・」


エルヴィン・・・それは既にナンパだ。
しかも相手はおまえを面倒臭がっているぞ!と
ミケは心の中でツッコミまくる。

案の定、彼はアンカーを回収し地面に降りるとエルヴィンに
背を向けて歩き出してしまった。

本来の目的の資料が去って行ってしまうと
エルヴィンに批難めいた視線をやるが、
エルヴィンはミケの視線を無視し彼を追っていった。

無論、ミケもその後を追う。



色々とエルヴィンが心配なので・・・・・。




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