過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第57章 修羅場
「下着の中に手を突っ込んで弄ってきたお主よりはマシだった」
「・・・・・・・・・・・・・・ちょ、ナナシ。
今その話はしなくて・・・」
ナナシがエルヴィンにとって不利な話を持ち出してきたので
狼狽していると、背後にいるミケがエルヴィンに
夥しい殺気を漲らせているのがわかった。
普段大人しい人間程怒った時恐ろしいと言うが、
ミケは正にその典型かもしれない。
「ナナシ・・・今の話を詳しく話してくれないか?
もしかしたら、俺は殴られ損かもしれないからな」
いつもより低い声のミケにエルヴィンは内心ヤバイと感じる。
マジ切れモードだ。
ナナシは少し言い辛そうにしながらも、
踵落としで沈めるまでのエルヴィンの行動をミケに説明した。
話が進むにつれ、ミケの表情がリヴァイ並みに凶悪になっていったので、
ナナシが何故そんな顔をするのだろうかと首を傾げていると、
ミケはエルヴィンの胸倉を掴みに掛かった。
「エルヴィン・・・・俺は今無性におまえの顔を
ボコボコにしたい気分だ」
「・・・落ち着け、ミケ。そんな事をされたら
資金調達が出来なくなる」
資金が稼げなければ調査兵団の死活問題に繋がるが、
理不尽に殴られたミケの気は治まらない。