過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第57章 修羅場
「もしも・・・さっきのが合意だったら、どうしていた?」
「・・・・・・そうだったら、俺にその行為を止める資格は無いし、
おまえを殴るような事もしなかっただろうな」
意外なエルヴィンの言葉にミケは目を見開き驚く。
やはりエルヴィンは強姦紛いな事をしたミケに怒っていたのだと気付き、
改めて申し訳なく思った。
「あと、ミケ・・・。君が以前言っていた
『自分の気持ちを押し付けようとは思わない』という言葉は
撤回すべきだな。君はもう既に自分の気持ちをナナシにぶつけている。
妙な言い訳をせず、リヴァイのようにはっきり言ってくれた方がマシだ」
「・・・・そうだな・・・。綺麗事はもう言わない。俺は
・・・ナナシが欲しい」
「了解した。ミケ、二度目はこんなものじゃ済まないと思えよ」
エルヴィンはふっと笑うとミケの肩を叩き、
テーブルの上に突っ伏しているナナシを覗き込んだ。
もう大分回復しているらしく、恨みがましい目で
エルヴィンを睨んでいる。