過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第57章 修羅場
ドアからでは無く、窓から聞こえたその声は
いなくなったエルヴィンのもので・・・・
彼は窓から部屋へ入ってくるとミケの身体を乱暴に退かした。
ミケも無体を強いていた自覚があったので、
素直にナナシから離れる。
「エルヴィン・・・どこに行っておったのだ?何故、窓から・・・・」
ナナシが何事もなかったかのようにエルヴィンへ話し掛けると、
彼は怒ったような視線をナナシに向けた後、
ミケに見せつけるように濃厚なキスをナナシへ仕掛けた。
先程から突然唇を塞がれまくっているナナシは、
酸欠で頭をクラクラさせながら必死に考える。
何故エルヴィンは怒っているのか・・・。
ミケとエルヴィンが何故突然自分にキスをしてくるのか・・・。
そんなに溜まっているなら、会場にいる女性を引っ掛けて
相手をしてもらえば良いのに・・・と思った所で、
そうすると見合いに発展し、結婚を望んでいないのに
強制されてしまうかと考え直す。
たっぷり時間を掛けて口内を蹂躙されると、
ナナシはクタッとテーブルへ身を投げる羽目になった。
頭がボーッとする上、身体に力が入らない。