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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第57章 修羅場








ナナバとハンジの言う通り、
感触からしてナナシの胸は詰め物では無いだろう。

柔らかく温かさを感じる。

胸を揉む度にナナシの身体がビクビク震える様を見て、
ミケは異様に煽られた。

女なら大体この反応をするから見慣れたもののはずだったが、
たった数回胸を揉んだだけで自分の股間が窮屈になる程
興奮を覚えた事がない。

正直、理性が保ちそうになかった。
ゴクリと喉を鳴らし、ナナシのドレスを脱がそうと手を伸ばした所で、
ナナシが


「私は・・・男だっ!」


とミケを睨みつけてきたので、ミケはやっと我に返った。

密着させていた身体を少し離して、
ミケは自身の心を落ち着かせるように深呼吸する。


「すまなかった・・・・」


この期に及んで自分を「男だ」と断ずるナナシを
一笑に付す事も出来たが、真剣な顔をして言ったナナシに対して
それが出来なかった。

ナナシは頑なに自身の事を『男』だと主張するが、
そこまで自分を『女』と認めたくない理由でもあるのだろうか?と
ミケは考えた。


肝心な所で尻込みする自分に嫌気を起こしていると
「何をしていた?」と地を這うような声が聞こえ、
声がした方へ視線をやる。





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