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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第57章 修羅場






そんな事実があったとは!と、
急いで自分の身体の匂いを嗅いでみるが、
当然ながら自分自身の匂いはよくわからない。


「・・・・・本当に匂いが強くなるのか?」


もしかして相当臭くなるのだろうか?と絶望に満ちた表情で
ミケを見遣ると、彼は足を離してナナシの首筋に顔を埋めた。


「あぁ、身体が痺れるような・・・甘い匂いがおまえの身体から
漂ってくる。今も全身からその匂いを感じ取れるぞ」


そう言ってミケは首筋をペロリと舐める。

不意打ちにナナシはまた「ひゃっ!?」と声を上げ、
身体を硬直させた。

自分に対して警戒や抵抗をしてこないナナシに対し、
ミケは複雑な思いを抱く。


警戒され過ぎるのも微妙だが、され無さ過ぎというのも
『そういう対象』として全く見られていないという事なので、
邪魔者がいない間に手を打っておくべきかと
ナナシの頬に手を添えた。

不可解な行動ばかりするミケにナナシは不思議そうにするだけで、
拒絶の素振りは見せない。

嫌われてはいないのだろうなと思いながら、
ミケは静かに唇を重ねた。


最初は優しく啄むだけのキスで、ナナシの思考が停止している内に
舌を中に捩じ込んで絡ませるものへと変える。

そこまで来ると、やっとナナシは抵抗を見せ始めた。
ミケの肩をバシバシ叩き、
「やめろ」という合図を送ってきているようだが、
ミケは止めなかった。

左手でナナシの後頭部を掴んで固定し、右手で胸に触れる。




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