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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第57章 修羅場







テーブルに乗ってプラプラと足を投げ出しているナナシを見て、
ミケは少し黙った後「匂いを嗅がせて欲しい」と言ってきた。

ナナシの匂いは前にも嗅いだはずなのに何故また嗅ぎたいのだろう?
そして何故今それを言うのか・・・。

ナナシの心中を察してか、ミケは躊躇いがちに口を開いた。


「女装姿のおまえの匂いは・・・まだ確認していない。
多分今じゃないとエルヴィン達に邪魔をされる」


エルヴィンは独占欲の塊だから、
このままでは匂いを嗅げず後悔すると語るミケに、
ナナシは「ま、いっか」と思い手招きをすると
彼は静かに近づいてきた。

大きな身体をしているくせにあまり音を立てず、
野生動物のような動きが面白いなと思っていると、
ふいにミケは目の前にしゃがみ込んだ。

いつものように首筋辺りの匂いを嗅ぐと思っていただけに、
ナナシは首を傾げる。

テーブルに座っているナナシとしゃがんだミケでは、
ミケの方が低くて普段見えない彼のつむじが見えた。

エルヴィンに目を奪われがちだが、
ミケも綺麗な金髪をしているんだよなーと考え事をしていると、
ストッキングを履いていない素足を掬い取られたので「え?」と困惑する。

ミケは不敵な笑みを浮かべると


「今日は足の匂いを嗅ぎたい」


などと言ってきたので、ナナシは慌てた。


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