過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第57章 修羅場
ナナバ達には言えなかったが、
ナナシは自らの影に手を突っ込むとそこから替えの下着を
取り出した。
こういう時ナナシの影の中にある『倉庫』は便利だなと
つくづく思う。
取り敢えず、濡れてしまった下着は持ち歩くのもあれなので
一旦『倉庫』へ移し、濡れたタオルでお酒を掛けられた腰や
・・・ついでに足も拭う。
慣れないハイヒールを履いていると足が疲れやすいな~と
少し足を揉んで、ストッキングを穿こうとしていたら
ノックも無しに扉が開いたので硬直した。
そこにいたのはミケで、着替え中だったナナシを見ると
「すまない!」と言って目を逸らす。
どうしたんだろうか?と不思議に思っていると、
ミケから「いつの間にかエルヴィンの姿が消えた」と告げられたので
頭を抱えた。
だから、ミケはノックを忘れるくらい慌てて入ってきたのか
・・・エルヴィンがここにいると思って。
「小童は来ておらぬ」
「・・・・そうか、着替え中にすまない」