過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第55章 悪質
「因みに私は今とても機嫌が悪い。私の婚約者に故意に
酒を掛けた君を許す気になれないな・・・」
「こ、婚約者!?」
「そう・・・彼女は私の大事な婚約者だ。
人のものを奪おうとしてタダで済むと思っているのか?」
騒ぎを遠巻きに見ていた周囲の人間がエルヴィンの言葉に
どよめく。
あれがエルヴィン・スミスの婚約者だって!
あのエルヴィン団長が見初めた女性だと!?
え?憲兵団の兵士がエルヴィン団長の婚約者に手を出そうとしてたの?
最低―っ!
エルヴィン団長がかなり怒っているぞ!
それだけ婚約者を愛しているって事ね!怒った団長素敵!
怒って当然だ。自分の恋人に手を出されそうになったんだぞ!
リヴァイ兵長とミケ分隊長も怒ってるみたいだ
調査兵団に憲兵団が喧嘩を売ったようなものね
などと周囲の会話が聞こえてきて、何か大事になったな、と
ナナシは居心地が悪くなった。