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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第54章 ナナリー








「出自は?」

「大変申し訳ありませんが、それは明かせられません。
私は多方面から恨みを買っている身・・・
彼女にもしもの事があれば大変ですので・・・」

「君の言うことも一理あるが・・・」


エルヴィンがはぐらかすと支援者は「うーん・・・」と
考え込みながらナナシをジロジロと見つめた。

あまり居心地は良くないが、これを乗り切れば
食事にありつけるだろうと我慢する。

暫くすると支援者は諦めたように大きく息を吐いて
「わかった」と頷いた。


「君に惚気を見せつけられるとは思わなかったから驚いてしまったが、
私が持って来た縁談は白紙に戻すことにしよう」

「ありがとうございます。これでナナリーも安心してくれるでしょう」


ね?ナナリーと笑顔を向けてくるエルヴィンに
ナナシは少し目を伏せて頷く。

その仕草は嬉しそうに恥じらう乙女にしか見えず、
支援者も目を丸くして見ており頬が紅潮させている輩もいたので、
エルヴィンは「それでは失礼致します」と頭を下げ、
そそくさとその場を後にした。





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