過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第53章 マジかっ!?
目の前にいる人物は確かにナナシの面影を残しているが
別人に見えるほどのもので、思わず頭の先から爪先まで
何度も凝視してしまう。
それに加え特に男性陣の目がいったのは胸だった。
そこには大き過ぎず小さ過ぎずの膨らみが存在していて、
ゴクリと喉を鳴らす。
詰め物なのか本物なのか確かめてみたい・・・・
そう思った矢先、その胸を掴んだのはハンジとナナバで、
突然の奇行にナナシと男性陣は驚愕して声も出なかった。
モミモミと片方ずつの胸を掴むハンジとナナバの顔は真剣そのもので、
数回揉みしだくと男性陣の方へ振り返り叫んだ。
「この感触は多分本物だよっ!」
それに男性陣は心の中でガッツポーズをした。
ナナシが女なら何の問題もなく口説けるじゃないかっ!
歓喜に震える男性陣を尻目に、
ハンジとナナバの手を退かしたナナシは何という事はないと言った様子で
言い放った。
「当たり前だ。女装するのだから胸を生やして、
声も高くするに決まっている」
・・・・うん?胸を生やすってどうやって?
「ちゃんと下半身にある男の証も仕舞っておいたから、
問題はないぞ」
・・・・え?男のブツって仕舞えるものなの?
つーか、どこに仕舞ったのっ!?
ツッコミどころ満載な発言に全員固まる。
時々ナナシの言っている事が理解できない。
混乱で視線を彷徨わせていたナナバがとある事に気づき
「あ」と声を上げて、目を大きく見開いた。