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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第51章 純情








「急に手紙が来て、明日の懇親会に親族が
顔を出すことになりまして・・・その時、一人だったら
親族が見つけた女性と結婚させると書いてありました。
自分には心に決めた女性がいるのに、勝手に押し付けられる縁談を
受けることは出来ません。ですが、自分には恋人役を頼める
親しい女性はおりませんし・・・・」

「成程、四六時中一緒にいるハンジになら話を通しやすいが、
私がハンジと出席するせいで頼むことも出来ないという事か・・・」

「・・・・・団長のせいとかではないですが・・・・」


言い淀むモブリットを見つめながらエルヴィンは思案する。

ここでモブリットの頼みを断り、彼が結婚してしまったら
ハンジへの恋情もなくなり・・・最悪手の掛かるハンジの副官を
辞めたいと言い出されるかもしれない。



ぶっちゃけ、それだけは何としても阻止したい!
あんなどうしようもないハンジを見捨てず、
恋い慕ってくれるのは後先考えてもモブリット以外いないだろう。

モブリットは調査兵団において得難い人材なのだ。


・・・それに、自分は元々ハンジと一緒に行きたかった訳じゃない。


ナナシが共に居てくれないならば、
ハンジがいようと一人でいようとエルヴィンの中では変わらないのだ。


「わかった。明日、君はハンジと一緒に行きなさい。
私からもハンジに話を通しておくよ」

「あ、ありがとうございますっ!!」


モブリットは感極まった様子で何度も頭を下げ感謝の言葉を述べた。

その姿を見てエルヴィンも「良いことをしたな~」と思う。

微笑ましくモブリットを見つめていると、
彼は真剣な顔付きになりエルヴィンに告げる。





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