過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第50章 日常的ストーカー
「やぁ、まさか君達もいるとは思わなかったよ」
雑草化粧水の効果を確かめていたリヴァイ班とモブリットの前に
エルヴィンが現れたので反射で敬礼を返すと、
エルヴィンはそれを手でやんわり制する。
「男はいないと思っていたが・・・君達はどうしてここに?
毎回ナナシの講義に出ているのかい?」
その問いにすぐ答えたのはモブリットだった。
「いえ、自分は今回が始めてなんです。
ナナシさんに器材を貸して欲しいと言われたのと・・・・
化粧水が出来ればハンジ分隊長の肌荒れも少しはマシになるかと
・・・女性ですので。あと、ついでに消臭効果のある香水とか
作って貰えないかなって・・・」
―――モブリットォォォォっ!!!
その話を聞いていたエルヴィン、エルド、グンタ、オルオ、ペトラは
心の中で泣いた。
ハンジの為にそこまで尽くしてくれるなんて、
何て良い副官なんだろうか!
もういっそハンジの給料を差っ引いて、
モブリットにあげたいくらいだ、と思ってしまった。
泣き笑い顔のモブリットを励ますように明るい声を上げたのは
ペトラだった。