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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】

第7章 四人で・・・




イザベルとファーランは目が眩むくらいのお宝の山に
興奮していた。

中には金銀財宝と言って良いくらいの金目の物が溢れており、
ファーランは高くて持ち運びがしやすそうなものを分別する。
イザベルはすぐにお金になりそうな物を物色しているようだった。

リヴァイはというと、宝には目もくれずじっとナナシを見つめていた。
ナナシへの興味と疑問が溢れ、
目の前の宝よりもそちらの方が気になってしまったのだ。




当の本人であるナナシは宝物庫をグルリと見渡すと、
迷わず棚に置いてあった小箱を手に取った。

ナナシの探し物は近くに行けば、
どこにあるのか気配で所在が特定できる。
小箱の鍵を壊し、そっと蓋を開けてナナシは静かに涙を流した。

一番探し求めていたものではなかったけれど、
これもナナシが探していたものの一部だ。

歓喜に震えながら小箱からそれを丁寧に取り出すと、
軽くそれに口付ける。






――金色に輝くそれは愛する男の遺髪だった。






本体から切り取られ、長い年月が経っているにも関わらず、
衰えというものを知らないように瑞々しい。
ナナシはまたそれを元の小箱に戻すと大事そうに懐に仕舞った。


「・・・それがおまえの言っていた『欲しい物』か?」


リヴァイの静かな声に振り返り、それに頷く。


「あぁ、私の目的はこれで終いだ。
あとはお主達が欲しい物を存分に奪うが良いさ」

「そうか・・・・」


それ以上リヴァイは詮索せず、ファーラン達の手伝いを始めた。



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