過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 前編】
第50章 日常的ストーカー
「ナナシ!無事かっ!?」
妄想で突っ走ったエルヴィンが第二会議室の扉を
勢い良く開けると、室内に二十人くらいの女性兵士と
数人の男性兵士がいたので、一瞬思考が停止した。
何故、ここに男がいる!?
まさかここで輪姦が・・・っ!?
残念な思考を引きずっているにも関わらず
表情は団長モードにしていたので、エルヴィンは兵士達から
変態扱いはされなかったが、ナナシからはとても嫌な顔をされてしまった。
兵士達は座っていた椅子から立ち上がり、エルヴィンに敬礼する。
口々に「エルヴィン団長!」「何故団長がここにっ!?」
「生団長格好良い!」と囁き合っているのが聞こえ、
咄嗟に笑顔を見繕って会議室にいる兵士達に
言い訳するようにナナシへ声を掛けた。
「あぁ、突然すまないね。先程君の顔色が悪かったから心配で・・・・」
「問題ないから、さっさと帰れ」
「折角だから、君の講義を聞いていこうかと・・・」
「関心や興味が無い冷やかしは、とっとと帰れ!」
冷たくあしらうナナシにエルヴィンが悲しげな表情を浮かべていると、
会議室にいた兵士達が彼の味方をし始めた。